いつの間にか日暮が早くなりました。
朝晩も比較的過ごしやすくなり、秋の到来が待ち遠しいです。
秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋!
ということで、今回は秋にちなんだ絵画、詩、音楽をご紹介します。
平吉毅州
「虹のリズム 第22曲
秋の光に落葉が舞って」
四季折々の自然の美しさは、何年経っても多くの人の心を惹きつけます。
春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色など。特に、秋をテーマにした音楽作品や絵画は日本人に多く見られます。
この平吉毅州の「虹のリズム」は子どものためのピアノ曲集です。
シンプルな構成で子どものためとはいっても、味わい深い雰囲気を醸し出しています。ヒラヒラと落ち葉が舞っている様子が目に浮かぶような音楽ですね。
そんな平吉毅州の音楽を日本人画家の作品と共にお楽しみください。
落葉1903年 牧野克次(1864-1942)
https://kyotocity-kyocera.museum/100_selections/069
ドイツの秋はあっという間に過ぎ去ってしまいます。
日本の秋とは少し違い、日が落ちるのが急激に早くなり、朝晩は冷え、暗くて寒い厳しい冬を思い起こさせます。
しかし私はドイツの短い秋がとても好きでした。特にキノコやブドウが旬で当時はとても安く買えたのでたくさん食べることができました。たくさん食べた後は、物想いに耽るのもよし、過ごしやすくなったカフェのテラスで友人と語らうもよし。
そして、秋になるとオーストリアの詩人リルケの詩を思い出します。
・日本語翻訳版
「秋」
木の葉が落ちる 落ちる
遠くからのように
空はるかにある庭が枯れたように
いやいやの身ぶりをしながらも
落ちる
そして この重い地球も 夜々に
ほかの星からはなれて
さびしいところへ落ちる
ぼくらはみんな 落ちる
このぼくの手も 落ちる
まわりをごらん
なにもかもが 落ちる
でもただ ひとり
この落ちるみんなを
両方の手でこよなくやさしくうけとめるひとがいる
(リルケ詩集『わたしはとても悲しかった』飯吉光夫訳・サンリオ出版)
・原語(ドイツ語)版
Herbst
Die Blätter fallen, fallen wie von weit,
als welkten in den Himmeln ferne Gärten;
sie fallen mit verneinender Gebärde.
Und in den Nächten fällt die schwere Erde
aus allen Sternen in die Einsamkeit.
Wir alle fallen. Diese Hand da fällt.
Und sieh dir andre an: es ist in allen.
Und doch ist Einer, welcher dieses Fallen
unendlich sanft in seinen Händen hält.
この詩にはfallen(落ちる)という動詞が繰り返されています。
fallenには「落ちる」という意味のほかに「戦って死ぬ」という意味も含まれています。
私はこのfallenを「ぼくらはみんな…」以降、「死」と解釈します。暗い内容ですが、最後の一節で「死」の暗さに光を照らし、今生きる全ての人を励まし、人生を生き抜いた死者に対する敬意が表されています。
涙を流して微笑むような、シューベルトの後期のピアノソナタの旋律のような…。とても温かな気持ちになります。
これから待ち受ける寒い冬にむけて、心を暖められます。
写真は2018年10月14日に撮影したドイツのシュヴェーリンという街にある散歩道です。
鈴木萌子 ピアノリサイタル
ロマン派の音楽遺産をたどる夜
DATE:2024年9月23日(月祝)
TIME:19時00分開場 19時30分開演
PLACE: 旭区民文化センターサンハート音楽ホール
弥栄高校の生徒と講師によるトロンボーンコンサート
生徒と講師のソロ演奏のピアノ伴奏で出演します!
DATE:2024年10月6日(日)
TIME:13時30分開場 14時00分開演
PLACE: サンエールさがみはら
秋イベント
みんなの発表会♫
フルートとピアノで聴く 秋の名曲コンサート
U museum & MIORATTAN 刺繍とかごのふたり展
DATE:2024年11月16日(土)
PLACE: Pachetart